豆買うところ



 どこに住んでも、まず「コーヒー豆をどこで手に入れるか」から始まります。 コーヒー豆が手に入らない所には住めません。

<甲府>

□ タケイコーヒー店

 先代がお城(舞鶴城址)の東の石垣の下に店を構えていた頃から、 甲府ではここひとすじ(現在BOB’sに浮気中:笑)。 先代のご子息はAsciiに就職して、 当時南青山向けの段ボールなんかが店に置いてある事もたまにありました。 ご子息は今もそのスジの業界にいるらしく、そのため先代が引退する際、 店は当時向かいにいた青年(当時)実業家に買い取られました。 先代も「タケイ」さんではなかったので、この店には更に溯る歴史があるようです。 その後、お城の修復工事で店も武田(梨大のちょい北)に移転、 現在は豆売りのみで喫茶はなさっていません。
 聞けば父が甲府時代、会社の取引先で先代とはつきあいがあったそうで、 甲府盆地の世間の狭さをしみじみ噛み締めてしまうのでありました。
 ここのマンデリンは絶品で、 ここ以外で買ったマンデリンをうまいと思った事はありません。 ユアーズさん もここのCブレンドを使ってます。

□ BOB’s珈琲工房 0552-54-8805

 甲府駅北口から西へ徒歩10分。相川を渡らずに川沿いに北へ1分。 甲府工業の対岸にある駐車スペースもない小さな店。
 なんと「煎り売り」です。 生豆が置いてあってその場で焙煎の深さを指定すると、 200gなら30分程で焙煎してくれます。 値段は100g単位で表示していますが、200gからの注文になります。 「生豆200g」なので煎り上がりは少し(1割強)軽くなります。
 正真正銘の「煎りたて」が手に入りますが、 お店の話では焙煎したてよりも1〜2日経った方がおいしいとか。 でも、僕は大阪の経験から煎りたて豆の「元気」の凄さを知っています。
 小規模の焙煎設備では浅煎りは困難と聞いていたので敬遠していましたが、 どうしてなかなか丁寧な仕事をしてくれます。
 ここの水出し用アイスコーヒー(水出し麦茶と同じバッグ式で、冷水器に入れて 冷蔵庫で8時間)はアイスコーヒーとしてはやや煎りが浅く、僕の好みにぴったり。 これまた、絶品です。

<東京>

□ ヤマモトコーヒー

 新宿駅東口徒歩3分。紀伊国屋書店の西側
 「ブラジルのブルーマウンテン」と銘打つ「モンテアズール」と、 オールドビーンズの「マラゴスペシャル」が好みですが、 マラゴは高価いのでたまにしか買えませんでした(今でも:笑)。
 最近、中国産の「雲南」がお目見え、これも結構いけます。
 焙煎がやや不安定で、時々好みよりかなり深煎りな事もありますが、 総じて浅めで、杉並時代はここを頼りにしていました。
 オールドビーンズをレギュラーに置いている店は他に知りません。 オールドビーンズがどんな味か知らない人は一度試してみては?
 ホームページ もできたみたい。

<富士宮>

□ トミヤコーヒー

 富士宮で豆を手に入れていたのは、富士市のトミヤ。 UCCのお膝元にあって中規模以上のコーヒー焙煎メーカー。 甲府でもトミヤのコーヒーを使っている店があるぐらいですから、 富士市にあった工場も何個所もあるうちのひとつだったのでしょう。 高校(県立富士高)が近くだったので、帰り道に寄って豆を買っていました。 ニイノ師もここの豆を使っていたようです。
 ここの「超浅煎り」は他では得難い極限の浅煎りで、 ひとつ間違えると青臭い程でした。 残念ながら現在では超浅煎りは受注生産のため、 100g単位で求める事はできないそうです。

<大阪>

□ 花田コーヒ(株)

 「コーヒー」じゃないあたり老舗っぽいな。
 日本橋の北の東西の大通りを東に少し行った所に焙煎工場があり、 そこで小売りもしてくれるというので試したところ、鮮度抜群で 実にうまいのでした。
 一度「さっき煎りあがったモカマタリがある」と言われて買ってみました。 焙煎から約5時間のモカマタリはその「力」というか「元気」が素晴らしく、 思わず店に喜びのFAXを送ってしまいました。 翌日にはフツーのモカになっていました。
 話によると大阪の豆業者は「とにかく安く」買おうとするため、 上質の豆は殆どが東京で買われ、大阪に来るのはB級豆ばかりとか。 しかし侮るなかれB級豆。 ここで買った豆は ¥250/100gと値段は確かにB級ながら、味は紛れもなくA級でした。 しかもこの低価格のお陰で、赤貧の大阪生活にあっても 毎日のようにおいしいコーヒーを飲めたのです。B級ばんざい!
 200g単位で小売りしてくれたのですが、 伝票には「0.2」とkg単位で書かれていたのが印象的でした。


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